ソフィア・コッポラ監督最新作の映画『The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ』が、2018年2月23日(金)よりTOHOシネマズ六本木ヒルズほか全国公開となる。ソフィア・コッポラの新境地、ダークな女性像を描く
ソフィア・コッポラ監督の長編劇映画第6作目となる『The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ』は、1966年にトーマス・P・カリナンが発表した同名小説「The Beguiled」を原作にしている。物語の舞台は、南北戦争期アメリカの男子禁制の女学園。負傷した北軍兵士を女学園にかくまったことから、性へ過敏になった女性たちに競争心が芽生え、学園内の均衡が崩れていくというスリラーが描かれている。
1971年にドン・シーゲル監督、クリント・イーストウッド主演の『白い肌の異常な夜』として映画化されているが、『The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ』ではシーゲル監督の作品とは異なり、“女性の登場人物の視点から描いた作品”だとしている。また、これまでのソフィアの作品に見られた、女性のポップでガーリーな魅力とは一転して、女性のダークな一面を垣間見ることができるという。ソフィア・コッポラ監督にインタビュー
撮影:ホンマタカシ2017年5月に開催された第70回カンヌ国際映画祭において、『The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ』で監督賞に輝いた、ソフィア・コッポラにインタビューを実施。本作が完
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シャネルベルトコピーするまでの、製作の裏側について話を伺った。Q.映画『The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ』を作成した経緯を教えてください。
(原作小説『The Beguiled』を)面白い物語だと思ったからです。私自身南北戦争の時代に以前から興味を持っていましたし、7人の世代の違う女性たちが、1つの館に暮らしているという状況も、物語としてとても面白いと思いました。
南北戦争と言えば"戦わなければならない男性"がメインに描かれがちですが、男性を見送って"取り残されてしまった女性集団"が題材だということも、非常に興味深く思いました。私は、そんな女性たちの目線から物語を新たに描きたいと感じたのです。
Q.1人の男性を巡って目覚める女性たちの"欲望"を、どのように描きたいと思いましたか?
女性は年齢によって、性の目覚めや性的な対応は違うと思います。この"欲望"というものに対して、決して恥じることでもなく、自然なものとして描きたいと思いました。
登場人物のうち、大人3人の女性(ニコール・キッドマン、キルスティン・ダンスト、エル・ファニング)は、異性に対して特別な感情を抱いて当たり前の年代ですが、劇中では(戦時下、そして宿舎という)かなり抑圧された状況下にいます。そんな中に、敵軍負傷兵でありながらも、魅力的な異性、マクバニーが出現して、同じ屋根の下で暮らし始める…。
彼女たちの敢えて眠らせていた感情が覚醒したことは、決して不思議ではないですよね。
Q.製作する上での拘りはありましたか?
宿舎という限られた空間内での物語を描くことで、"演劇"を観ているような作品に仕上げました。出たくても出られない"籠の鳥"のような状況下に登場人物を配置することで、お互い相対立せざるを得ない面白い展開を生み出せるのです。
Q.衣装も美しいですね。
作品にリアリティを出すため、劇中の女性たちのヘアや衣装は当時のものを参考にしました。特に、現代の私たちから見ても「綺麗」と思える淡いのドレスなどを、歴史上のものから選んでいます。Q.監督初となるスリラー作品でしたが、作成にあたって課題はありましたか。
スリラー作品に不可欠な緊迫感を、どのように表現するか試行錯誤しました。また、物語自体は、サザンゴシックのジャンルといえますが、その中で、"ソフィア・コッポラらしい"スタイルを取り入れることもチャレンジでしたね。
最終的に、作品が完成した際、父が気に入ってくれたことはすごく嬉しかった。彼の作品はマッチョなテイストなので(笑)ニコール・キッドマンら豪華キャスト
キャスト陣にはソフィア映画史上最も豪華ともいえる面々が集まった。女学院の園長役にニコール・キッドマン。彼女はこの演技で、カンヌ映画祭記念名誉賞に輝いている。また、恋に恋する純粋な教師役にキルスティン・ダンストを起用。そして、負傷兵役をコリン・ファレルが演じる。エル・ファニングの魅せる妖艶な演技
中でも注目したいのは、ソフィア・コッポラの作品に『SOME WHERE』以来2度目の出演となるエル・ファニング。当時は子役として演技を光らせていた彼女が、本作では女子寄宿学園に暮らす早熟な少女・アリシアを熱演する。学園に運ばれてきた負傷兵マクバニーを挑発的に誘惑していくが、果たして彼の心を掴むことはできるのか……
近年など、新作への出演が絶えないエル・ファニングの新たな魅力に期待したい。